GARAGE LABOインタビューNo.3:元”メチャクチャにヤバイ就活生” 近藤 佑子氏

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今回は2012年5月に「メチャクチャにヤバイ就活生 近藤 佑子を採用しませんか?」のサイトを立ち上げ、非常に話題を呼んだ近藤 佑子さんにお話を伺いました。

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GARAGE LABOインタビュー

プロフィール

近藤 佑子(コンドウ ユウコ)氏
・岡山県出身 ・京都大学工学部建築学科卒業
・東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了
・株式会社翔泳社 CodeZine 編集部員

インタビュー

—さっそくなんですが、その時の”メチャクチャにヤバイ就活生の取組みを振り返ってみてどうでしたか?どんな感想を持っていらっしゃいますか?

ざっくり言うと面白かったです。

「やって後悔はありませんか?」と聞かれることもありますが、やらなければよかったという考え方は不毛なのでそういう風には思ってません。

良い経験になったと感じています。サイトをつくるということや、ブログを書くことなど、インターネットに何かアウトプットをしてそのフィードバックを得られたのがよかったと思っています。

インターネットでのアウトプットとは、以前もmixi日記だったりTwitterの投稿だったり、その後もブログを書いたり、ちょっとしたサイトを作ったりしてきましたが、その最たるものが就活サイトをつくったことだと思うんです。

インターネットにアウトプットする活動を通して、自分が人と比べてどういう存在なのか、やっていることに意義があるのか、面白いのか面白くないのか、自分は何が得意で何に向いているのかに気付けたということが一番よかったと思っています。

普通に生活していたら、得られない量のフィードバックを得られたり、普段では辿りつけないところ、例えば有名な人からのフィードバックを得られたのが面白かったですね。

あと、人とのコミュニケーションの取り方にも気づきがありました。

私は人に対して干渉することが得意ではなくて、それは乗り越えていかなくてはならない課題だと思っていました。

けれども、今回就活サイトをつくったことで、「あらかじめ自分のことを知っておいてもらう」という状況をつくることができ、コミュニケーションがずっと楽になりました。

人から興味を持ってもらえるようなことを悪だくみ(笑)をして、予め用意しておくようなコミュニケーションの在り方もあるのではと思いました。

—驚いたのが、“メチャクチャにヤバイ就活生”の取り組みは予め緻密に作成された企画書の通りに実行されており、そして目標を上回る結果を実現されていたのがすごいと思いました。

実際、取組みよりもその企画書の方がアピールポイントかもしれませんね。

それを見てくださっている方もたまにいて、よくチェックしてくださってることにびっくりします。企画書としては大したことないと思うのですが、ばかばかしいことにちゃんと企画書を作成して公開したところがポイントかと思います。

サイト自体は自分のコーディングやデザインのスキルを示すためのものだと思っているので、既存のネットコンテンツの分析など、実行に至るまでの過程が分かる企画書の方が、就活においてはよりアピールしたいところだったと思います。

—ご活動の中で改善点というか、もっとこうすればよかったという部分はありますか?

企業ともっと面接したらよかったなあと思います。

でも当時大学院の修士2年でしたので、研究活動も忙しくそこまでインターネットにかまけていられなかった状況もありましたので、実際は難しかったですね。

理想は、ネットで就職先を募集して早期の段階で行き先を固め、残りの期間は研究活動に没頭できることかもしれません。

結果として今の勤め先にも満足しているので、就職活動に2年かかってしまいましたが、振り返って考えると必要な2年間だったと思いますね。

—”メチャクチャにヤバイ就活生”の取組みの後、フリーランスとしてもご活動されていらっしゃいますよね?最終的にどのような経緯で今のお仕事に就かれたのですか?

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サイトを通じても内定を頂いたのですが、頂いた内定は辞退して就職活動を継続しました。

修士1年の12月から修士2年の4月までは普通の就活、修士2年の5月から7月までは自分でつくった就活サイトを通じての就活、サイト上での活動を8月に一旦ストップした後、論文執筆で一時活動停止しつつも、翌年の2、3月くらいまで普通に就活してました。

結局大学院を終了しても決まらなかったので、フリーランスをやりながら既卒枠で受け続け続けました。

実質的には就職浪人ではあったのですが、フリーランスを選択した理由はフリーランスと名乗った方が仕事を頂きやすいと思ったからです。実際にライターのお仕事等を獲得することができ、その仕事をこなすことで自信に繋がりました。

就職ができないからという理由で留年するのは、経済的事情で不可能だし、自分がやるとなると論外だと思っていました。学生の間に就職できないと人生詰んでしまうと言われている世の中に課題を感じています。学生であるうちに就職が決まらなくてもなんとかなる世の中であってほしいですね。

その後、フリーランスをやっていた7月くらいからは、その時にやっていた仕事をアピール材料に、転職活動をメインにして活動しました。人材紹介会社や求人広告を見たり、知人に紹介していただいたり。

12月に求人広告で見つけた企業を受け、最終的に内定をいただき、そこに就職することになりました。

—最終的にその企業に就職された決め手は何だったのでしょうか?

事業内容が、やっと見つけた「やりたいこと」に合致しているということと、面接で、学生時代やフリーランスの活動をアピールし、そこを企業に評価してもらえたこと、その2つが決め手です。

やりたいことは、「言葉を扱うこと」と「専門性を高めていくこと」なのですが、就活サイトをつくったり、ブログを読んでくださった方から、「文章がうまい」と褒められたことが大変嬉しくて。

また、ITが世界を変える力を持っているということも、学生時代からIT企業に応募していて実感していました。もともと学生を長くやっていたので勉強することも好きですし、ITの最先端に触れながら自分を高めていくことを理想としていました。

就職した会社は、コンピュータ書や資格書、ビジネス書を出版していたり、WebメディアもBtoBの分野で、専門性が高いです。3ヶ月の研修を経て配属されたのはCodeZineというプログラマー向けWebメディアで、日々新しい技術を学ぶことができてとても楽しいです。

—今後の展望について教えて下さい。

編集者としてITに限らずいろんなことを追いかけて行きたいですね。色んな分野を繋げることで化学反応を起こしてみたいです。ここ数年は修行だと思って技術に関しての知識を叩き込むことが8割、残りの2割でぶっ飛んだことが出来ればと思っています。

—ありがとうございます。最後に読者の方に一言お願いします。

アーティストや建築家はポートフォリオとして自分の作品をまとめています。

私も建築の学生だったので、まわりの学生がよく課題で設計した建築物をポートフォリオにしていました。

私は建築の歴史の研究をしていたので、設計の作品はないけれど、自分の活動や書いてきた文章などをファイルに綴じて、面接の場に持っていってました。

そのような感覚で、学生時代に取組んで来たことを自分の作品みなしたら、どのような作品集が出来上がるかを意識して学生生活を送ってほしいと思います。

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